漢方外来について
近年、様々な症状に対し、漢方薬が有効であるとの報告が多くされるようになってきました。
当院では、西洋医学と東洋医学、両方の良さを活かした治療を行うため、漢方薬を積極的に取り入れています。
漢方とは何ですか?
中国がルーツの伝統医学が日本で発展した、日本独自の医学で、広い意味では東洋医学に含まれます。
西洋医学が、手術やマッサージなど病気の原因となる悪い部分をターゲットに攻撃するのに対し、東洋医学は人間が本来持っている自然治癒力を高めて、心身の状態を整えていくことを基本にしている点が大きな違いです。
そのため漢方治療では、その目的となる症状だけでなく、心身全体の調子が良くなっていくという嬉しい効果が現れることも多くあります。検査をしたけど異常が見つからない、なんとなく調子が悪い、などのケースは漢方が得意とするところです。
漢方は何からできている?
漢方薬の成分はすべて、自然界に存在する植物や動物、鉱物などを組み合わせた「生薬」とよばれるもので構成されています。一般的なものには葛の根(葛根カッコン)、ミカンの皮(陳皮チンピ)などがあり、実に5000種類以上あるともいわれています。
漢方薬のメリットは?
「病院に行くほどではないけど、なんとなく調子が悪い」というような訴えは、多くの女性が持っています。体質だからと、諦めている方もいらっしゃいます。
漢方は、こうした「不定愁訴」といわれる「とりとめのない訴え」を治療できることがメリットです。ちょっとした調子の悪さも、長引くと重大な病気につながることもあります。漢方では、そうした状態を「未病」とし、その段階で治療することが大切と考えています。
副作用はありますか?
医薬品である以上、副作用が出る場合もあります。例えば、月経不順などに使われる「加味逍遙散(カミショウヨウサン)」という漢方薬には、「甘草」という生薬が含まれています。甘草は、漢方薬のおよそ70%に使用されているポピュラーな生薬ですが、人によっては血圧の上昇やむくみなどを引き起こす場合もあります。
普段と違う症状があれば、すぐに医師に相談しましょう。
漢方薬は高いですか?
現在、日本では148種類の医療用漢方薬が保険適応となっています。幅広い症状に対応できますので、安心して、治療を行うことができます。
このような方にお勧め
女性特有の症状
- 月経痛
月経時に、痛み止めを使用するほどの下腹部痛がある。 - 月経不順
月経の周期が不規則だったり、経血量が極端に多すぎたり少なすぎたりする。 - 月経前症候群(PMS)
月経周期ごとに感じる不調。イライラ・ヒステリー・気分の落ち込み・身体のむくみ・吐き気・過食・めまい・乳房痛など症状は様々。 - 更年期障害
ホルモンの減少から、ほてりやのぼせ、手足の冷え、腰痛、倦怠感、イライラなど、様々な不調が起こること。 - 若年性更年期障害
実際の更年期(45~55歳ぐらい)よりも早い、30~40代前半で、更年期障害と似た症状が現れること。ひどくなると不妊や早期閉経の原因につながる可能性もある。
日々感じる不調
- 冷え
- 頭痛
- 肩こり
- 疲れ、倦怠感
- めまい
当クリニックでは、「病気にならない身体と心を目指す医療」をモットーに、女性がQOL(クオリティ・オブ・ライフ)を保ちながら生活するのを手助けしていきたいと思っております。お気軽にご相談ください。